慢性的な腰痛に悩んでいます。改善・予防をするにはどうしたらいいのでしょうか。
まずは体の仕組みを理解して、肩関節や股関節、腰椎の動きをなめらかに保ちましょう。
腰痛に悩んでいる人に、知っておいていただきたい体の仕組みがあります。それは、私たちの体には、「動きたい場所」と「動きたくない場所」があるということです。体の作りとして、もともと動く役割の部位と、支える役割の部位があるのです。
動く役割の代表的な関節は、肩関節と股関節です。この2つの関節は、体の中で一番大きな可動域を持っているので、しっかり動かせるようにしておくことが大切です。なぜかと言うと、大きく動かせるはずの部分が動かないと、その上下の、本来は動かない場所がカバーすることになるからです。
たとえば、股関節の上には骨盤があって、骨盤には仙骨(骨盤中央の逆三角形の骨)があり、その上に腰椎(腰の骨)が繫がっています。腰椎は、骨が積み木のように重なった状態になっていて、その積み木の間にクッションの役割をする椎間板があります。この腰椎は、本来は動きたくない場所、つまり支える役割の場所です。
前屈する際は、背中を丸めるのではなく股関節から曲げる意識をもってみて下さい。
- 腰椎
- 仙骨
- 椎間板
- 股関節
- 寛骨
- 坐骨
- 尾骨
- 骨盤
- 寛骨、仙骨、尾骨の
組み合わせ
腰椎は積み重なった骨がずれないように留めるツメのようなものが下の骨に向かって出ています。これがあるので腰椎は少ししかねじることができません。これに対して、胸椎にはこのツメがないので、まあまあねじることができます。つまり胸椎は動ける場所なのに対し、腰椎は動きたくない場所なのです。
胸椎がしっかり動けない、その動きを代わりに腰椎が担うことになります。これが続くと常に腰椎に負担がかかり腰痛の原因になります。股関節も同様に、本来は動くべき場所なのに動きが悪くなっていると、腰椎に負担をかけこちらも腰痛の原因になるのです。
セルフケアとしてできることの第一が、体を動かして運動量を増やすことです。私の場合は、車で移動せずに自転車で移動するようにしています。また、毎日スクワットをして、しゃがむときにバーベルを持ち上げるイメージで腕を上げる動きをしています。みなさんも普段からストレッチや運動をして、肩関節や股関節、胸椎の動きをなめらかに保ちましょう。
産婦人科医/医学博士
婦人科スポーツドクター/ヨガ指導者
高尾美穂さん
働く女性の産業医。婦人科の診療を通して女性の健康をサポートし、 女性のライフステージ・ライフスタイルに合った治療法を提示し、選択をサポート。アプリstand.fmで連日更新される番組『高尾美穂からのリアルボイス』では、体や心の悩みから人生相談までリスナーの多様な悩みに回答。最新刊は、『らくヨガ 1日1分! がんばらなくてもスッキリ整う』(家の光協会)。