
監修者紹介

- 加藤純
- MENS COCO マネージャー
MENSCOCO日本橋マネージャー,株式会社デイライズ専務執行役員,Mr.BANANAメンズ恋活サロン運営
年間3000人以上担当しているメンズ専門美容師。メンズスタイルのスペシャリストとして価格以上の価値を提供している。
50代に入り「以前と同じ髪型が決まらなくなってきた…」「最近ヘアセットがうまくできない…」などのお悩みはないでしょうか。
50代メンズの髪型選びでは年齢と共に変化する髪に合わせることが重要です。髪の状態に合わない髪型にすると、薄毛や白髪が悪目立ちすることもあります。
この記事では50代メンズがやってはいけない髪型とおすすめの髪型を紹介します。髪型選びのポイントを押さえて、洗練された身だしなみを目指しましょう。
目次
50代メンズの髪型選びのポイント

(出典:(1)老化と毛髪変化)
(出典:(2)男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版)
50代メンズの髪型は髪の悩みに合わせた選択が大切です。50代に入った男性は、以下のような髪の悩みを抱える人が多くなります。
- おでこの生え際が後退した
- 頭頂部の髪の薄さが目立つようになった
- 髪が細くなり全体的にボリュームが減った
- 白髪が増えた
50代以降の男性では「男性型脱毛症」による髪の悩みを抱えることが珍しくありません。男性型脱毛症の発症頻度は年齢が上がるにつれて高くなり、50代以降では約4割が発症しているとされています。
男性型脱毛症は男性ホルモンの影響により発症する疾患です。毛根がミニチュア化することで、前頭部や頭頂部を中心に薄毛や脱毛が起き、おでこの生え際や頭頂部の髪の薄さが目立つようになります。
また50代以降は加齢による髪の軟毛化や白髪の進行が起きて、髪のボリュームダウンや白髪が目立つようになる人も多いでしょう。
このような髪の悩みが出てきた50代メンズ向けに、髪型選びのポイントを3つ紹介します。
- 短めの髪型を選ぶ
- 無理に隠さない髪型を選ぶ
- トップにボリュームがある髪型を選ぶ
それぞれのポイントについて次から詳しく見ていきましょう。
髪型選びで重要なポイント①短めの髪型を選ぶ
髪型選びで重要なポイントのひとつは、短めの髪型を選ぶことです。短めにカットすることで薄毛の悩みをカバーしやすくなります。
とくにサイドや襟足を短めにすると、薄毛になりやすい頭頂部にボリュームを出しやすく、自然に薄毛を隠せます。また短く整えた髪型は清潔感を印象づけやすいのもポイントです。爽やかで若々しい雰囲気を目指したいなら短めの髪型を選びましょう。
髪型選びで重要なポイント②無理に隠さない髪型を選ぶ
薄毛や脱毛が目立つ部分を無理に隠さない髪型を選ぶことも、重要なポイントです。
髪を長く伸ばして生え際を隠したりサイドからトップにかけて髪を流して頭頂部を隠したりすると、かえって髪の薄さが目立つ不自然な髪型になってしまいます。
薄い部分を無理に隠さず自然な毛流れを保つ髪型は、自然体で魅力的な印象を与えられるでしょう。
髪型選びで重要なポイント③トップにボリュームがある髪型を選ぶ
50代メンズにはトップにボリュームがある髪型もおすすめです。トップにボリュームを出すことで薄くなりがちな頭頂部をカバーしやすくなり、全体の毛量も増えたように見えます。
髪をセットするときには、トップにボリュームを出すことを意識しましょう。ドライヤーでふんわりと立たせるように乾かしたあとは、クシでなでつけるのではなく、整髪剤をつけてから手グシでトップの髪をつぶさないようにスタイリングします。
50代メンズが避けた方が良い髪型

50代メンズが避けた方が良い髪型を3つ紹介します。
- 長めの髪型
- センターパートの髪型
- 重めの髪型
50代メンズは男性型脱毛症や加齢の影響で髪の薄さやハリの無さが目立ちやすくなります。そのため髪のボリューム不足を強調する髪型や、薄い部分を無理に隠す髪型を避けることが大切です。
上記をふまえつつ50代メンズが避けた方が良い3つの髪型について詳しく見ていきましょう。
避けた方が良い髪型①長めの髪型
50代メンズが避けた方が良いヘアスタイルのひとつは、長めの髪型です。
髪が薄い部分は長く伸ばした髪でカバーできると考えられがちですが、以下の理由から逆効果になる可能性があるとされています。
- 髪を伸ばすことで頭頂部にボリュームが出しにくい
- 毛量が足りず隠した部分が透けて見えてしまう
- 風が吹いたり汗をかいたりしたときに地肌が悪目立ちする
- 無理に隠そうとすることで髪型が不自然になる
また長く伸ばした髪は髪の薄さが目立つだけでなく、清潔感を欠いた印象を与えることもあります。
さらにお手入れが行き届かないと髪がパサついたり広がったりしやすく、不潔に見えることもあるので注意しましょう。
避けた方が良い髪型②センターパートの髪型
50代になり頭頂部の薄さが気になっている人には、センターパートの髪型もおすすめできません。センターパートにすることで髪全体のボリューム不足がより目立ちやすくなるためです。
中央できっちりと分け目をつけると髪がペタッとしやすく、トップのボリュームが抑えられてしまいます。また分け目部分の地肌の面積が広くなるため、上から見たときに髪の薄さが一目でわかってしまうでしょう。
避けた方が良い髪型③重めの髪型
重めの髪型も50代メンズが避けた方が良いヘアスタイルです。髪にボリュームが出しにくく老けた印象を与えてしまうことがあるためです。
髪型における「重め」とは髪に段差をつけずにカットした、ボリュームのあるスタイルを指します。一例としては、長めのマッシュヘアが挙げられます。
マッシュヘアはおしゃれで人気が高い髪型ですが、頭頂部の薄毛が気になっている人は注意が必要です。長めのマッシュヘアはつむじ付近の薄さが目立ってしまいます。
前髪を厚めに下ろすことで前頭部の薄さは隠せるものの、風が吹いたり汗をかいたりすると生え際が見えてしまうこともあるでしょう。
どうしてもマッシュヘアを希望するなら、短めにカットするマッシュショートがおすすめです。
50代メンズにおすすめの髪型

ここからは50代メンズにおすすめの髪型を5つ紹介します。
- ソフトモヒカン
- ツーブロック
- フェードカット
- パーマ
- ベリーショート
いずれの髪型も髪の薄い部分を無理に隠さず、自然にカバーできます。
美容室でオーダーする際には薄毛や白髪の悩みを思い切って打ち明けることがおすすめです。美容師が要望を詳しく把握できるので、より満足度の高い仕上がりになるでしょう。
それぞれの髪型について次から詳しく見ていきます。
おすすめの髪型①ソフトモヒカン

薄毛に悩む50代メンズにおすすめな髪型のひとつが、ソフトモヒカンです。
モヒカンとは両サイドの髪を刈り上げて、残った中央の髪をワックスやジェルで立たせる、ハードな印象が強い髪型です。ソフトモヒカンはスタンダードなモヒカンよりもナチュラルでおしゃれなため、幅広い世代で人気があります。
ソフトモヒカンはおでこの生え際や頭頂部の薄さ、髪全体のボリュームの無さが気になる人におすすめです。トップの髪を長めに残してサイドを刈り上げるため、錯視効果で薄毛が目立ちにくくなります。頭頂部の薄毛もカバーしやすくなるでしょう。
前髪を上げるスタイルが基本ですが、前髪を下ろしたりトップの髪にウェーブをつけたりと、多彩なアレンジが可能なのもポイントです。
サイドの髪が伸びてくるとヘアセットがしづらくなるので、こまめに美容室でメンテナンスしましょう。
おすすめの髪型②ツーブロック

ツーブロックは頭頂部やおでこの生え際の薄さが気になる50代メンズにおすすめの髪型です。
ツーブロックは髪を上下に分けて下側の髪を短く刈り上げることで、毛量で段差をつくるスタイルです。ソフトモヒカンよりも髪が短い部分と長い部分の差がはっきりとしています。
髪の長さに差をつけることで、ソフトモヒカンと同じく錯視効果が生まれ、生え際の薄さが目立ちにくくなります。トップにボリュームが出せるので頭頂部の薄さに悩む人にもおすすめです。
ツーブロックもカットの方法やスタイリングによって、ハードな印象からやわらかい印象まで自在に変えられます。たとえば上のブロックにパーマをかければ、さらにおしゃれでボリュームのある髪型がつくれるでしょう。
なお、サイドの髪が伸びるとスタイルが崩れてしまうので、ソフトモヒカンと同様に定期的なヘアカットは欠かせません。
おすすめの髪型③フェード

髪が薄くなり地肌が目立つようになってきた50代メンズにおすすめなのがフェードです。
フェードとは頭の下部分から上に向かってグラデーションのように濃くなる髪型のことです。ツーブロックやソフトモヒカンと組み合わせたスタイルもあります。
フェードにはサイドを短くカットしてつくるフェードカットと、剃刀を使用してサイドの一部を剃ってつくるスキンフェードがあります。刈り上げる範囲やカット方法によっても違いがありますが、一般的にスキンフェードの方がよりハードな印象を持たれるでしょう。
フェードはサイドの髪を地肌が見えるほど短くするため、薄毛を生かせる髪型です。トップ部分は長さを残すので、気になる頭頂部も自然にボリュームアップできます。
ただし短くカットしたり剃ったりした部分は、少しでも髪が伸びるとスタイルが崩れてしまいます。こまめに美容院に通ってスタイリッシュな印象を維持しましょう。
おすすめの髪型④パーマ

髪のボリュームが落ちてきたと感じる人や白髪が気になる50代メンズにおすすめなのがパーマです。
パーマをかけることで髪全体のボリュームがアップします。分け目やつむじ付近の髪の薄さもカバーできるでしょう。
また白髪まじりの髪にパーマをかけると白髪の部分がハイライトの役割を果たすため、立体的なヘアスタイルになります。
ただし薄毛が進行した状態ではパーマがかけられないことがあります。薄毛が進むと髪が伸びにくくなるため、パーマをかけるために必要な長さが確保できないためです。
またパーマ剤が頭皮や髪に悪影響を与えることで髪の悩みが深まることもあります。パーマをかけたい場合は美容師と相談の上、慎重に判断しましょう。
パーマをかける頻度をなるべく少なくしたりカラーとの併用を避けたりすることで、ダメージを軽減しながらパーマを楽しむことも可能です。
おすすめの髪型⑤ベリーショート

ベリーショートは髪のボリューム不足が気になる50代メンズにおすすめの髪型です。
ベリーショートに明確な定義はありませんが、一般的にはショートカットよりもサイドや前髪が短い髪型を指します。短くカットすることで髪が立ち上がり、ほどよくボリュームが出せます。
ベリーショートはおでこの生え際の後退に悩む人にも適している髪型です。前髪が長いと髪が額にかかっている部分とそうでない部分の差が目立ち、生え際の後退が目立ってしまいます。ベリーショートは前髪も短く切ることで、生え際の印象を薄めてくれます。
すっきりと清潔感がある印象で、毎日のヘアセットが楽にできるのも、ベリーショートのおすすめポイントです。
50代メンズがやってはいけない髪型・おすすめの髪型のポイントまとめ
50代メンズがやってはいけないのは以下のような髪型です。
- 長めの髪型
- センターパートの髪型
- 重めの髪型
上記の髪型は頭頂部やおでこの生え際の薄毛の悩みを強調してしまうことがあります。
反対に50代メンズにおすすめなのは、髪の悩みをカバーしやすい髪型です。
- ソフトモヒカン
- ツーブロック
- フェードカット
- パーマ
- ベリーショート
髪にボリュームを出したり長さにメリハリをつけたりすることで、髪の薄さが気になる部分や白髪を目立ちにくくできます。
避けた方が良い髪型はいくつかありますが、選択肢が大きく減るわけではありません。今回紹介した髪型はバリエーション豊かで、50代の魅力が生かせるスタイルばかりです。
髪の悩みを軽減できるポイントを押さえつつ、髪型選びを楽しんでみてはいかがでしょうか。
文献
1).日本臨床皮膚科医会雑誌/24 巻 (2007) 3 号p. 221-228
2).日本皮膚科学会雑誌/127 巻 (2017) 13 号p. 2763-2777





