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夏こそ「頭皮ケア」のハイシーズン!後編「 睡眠・食・ストレス 」 生活習慣から頭皮強化秘策まで

2021.08.17

監修者紹介

佐藤明男

佐藤明男
東京メモリアルクリニック理事長

さとう美容クリニック院長, 北里大学医学部客員教授, 日本形成外科学会専攻医, 日本臨床毛髪学会理事, 日本先進医師会特定認定再生医療委員会委員長, SKIファーマ株式会社副社長
頭髪に関する内科治療と外科治療まで幅広く実践し、毛髪研究、教育も積極的に行っている。

薄毛治療のオピニオンリーダー佐藤明男先生に薄毛にまつわる知識をお聞きする当連載。第4回は「夏の頭皮ケア」の後編です。本記事では、夏に乱れがちな食生活や睡眠、ストレスの管理など、生活習慣面から頭皮の健康を維持する秘策を佐藤先生に教えてもらいます。

食欲不振、ストレス、睡眠不足、etc.乱れた生活がどうして髪に影響するの?

Answer編集部:暑い日が続くと「食欲がでない」「疲れがとれない」「眠れない」など、いわゆる夏バテになる人が多いですよね。こうした生活習慣の乱れは髪にもよくないのでしょうか?

佐藤:髪は皮膚の一部で、体の一部です。ですから、体の健康に悪いことは、髪にも悪いと考えられます。

Answer編集部:髪のためにも健康的な生活を送ることが重要なんですね。

佐藤:抜け毛や薄毛が気になり始めると、多くの人が髪や頭皮を外側からケアしようとします。しかし、体の健康という土台の部分が弱っていれば、いくら外側からケアしても髪の健康も揺らいでしまいます。

Answer編集部:すべてのベースになっているのが体の健康ということでしょうか。

佐藤:食でいえば、人の体は日々、口にするものからつくられています。髪はタンパク質で構成されていますから、タンパク質を十分に摂るなど、しっかりと栄養を補給することが大切なんです。

Answer編集部:暑いと食が細くなりますし、さっぱりした簡単なものばかりを口にしがちですが、私もきちんと髪に栄養が届くような食生活にしたいです。

佐藤:過度のストレスや睡眠不足も、同じように体によくありません。それが続けば健康を害して、薄毛のきっかけになることも考えられます。

Answer編集部:心身ともに健やかな生活が髪にもよいということですね。では、髪の健康につながる生活習慣のポイントを、具体的に佐藤先生にお聞きしていきましょう。

健康な髪への第一歩は日々の生活習慣から

佐藤:健康的な髪を維持するためには、髪や頭皮のケアだけではなく、体全体の健康を意識して生活することが大切です。髪の状態がよくないと感じている人は、日々の生活習慣を見直すことから始めましょう。

髪や頭皮のためにやっておきたい「食・ストレス・睡眠」の夏リスト

1.バランスのよい食事をすること

佐藤:夏はそうめんなどさっぱりしたものばかりを口にしがちですが、それでは栄養が偏って、不足する栄養素がでてしまいます。

髪をつくっているのはタンパク質ですから、魚や卵、肉、乳製品などの動物性タンパク質や、大豆などの植物性タンパク質を意識して摂るとよいでしょう。

ミネラル類も重要です。特に亜鉛には髪を構成するタンパク質のケラチンを合成する働きがあり、不足すると抜け毛の一因にも。

ビタミン類では、ビタミンB群や活性型ビタミンDが髪によいと言われています。亜鉛やビタミンB群は、牡蠣や豚レバーなどに豊富に含まれているので、積極的に食事に取り入れましょう。

ただし、いくら髪によいからといって同じものばかりを食べるのは、栄養が偏るのでNGです。特定の食材だけたくさん食べても、髪がフサフサになるわけではありません。現代人は飽食や過食の傾向があるので、食べ過ぎで健康を害してもよくありません。

ポイントはあくまでも、バランスよく食べること。バランスのよい食事が健康な体をつくり、ひいては髪や頭皮の健康を守ります。

2.ストレスをため込まないこと

佐藤:暑いとイライラしがちになり、ストレスがたまるという人も多いでしょう。また、現代人は多忙な仕事や複雑な人間関係などから、過度のストレスと切っても切れない間柄です。

強いストレスがあるとアドレナリンにより筋肉が極度に緊張し、体内の活性酸素が急激に増加すると言われています。活性酸素とは人体のサビのような有害物質で、細胞や血管壁を傷つけます。

この活性酸素が蓄積し、何らかの作用を起こして薄毛を進行させるきっかけになるのではと考えられています。

ですから、健康的な髪や頭皮のためにも、たかがストレスと侮らずに自分なりのストレスとの上手なつき合い方を見つけることです。

夏は暑さを避けて室内にいることも増えますが、気分転換を兼ねて室内でもできる運動をすれば、運動不足の解消にもつながります。好きな趣味に没頭するのもよいでしょう。ストレスをため込む前に発散していきましょう。

3.質のよい睡眠をとること

佐藤:猛暑の影響やストレスなどで眠れない日が続くと、昼に受けた髪のダメージが睡眠中に修復されないことが考えられます。

睡眠不足と薄毛との直接的な関係は証明されていませんが、髪の成長には成長ホルモンが必要です。成長ホルモンがもっとも多く分泌されるのは夜、眠った直後から90分間のノンレム睡眠時だとされています。しかし、睡眠が浅い、昼夜の生活が逆転している、睡眠時間が短い、などの睡眠トラブルがあると分泌が悪くなり、頭髪の成長にも影響がでるのです。

夏は暑さで寝つけない日も多いと思いますが、あらかじめ寝室を適温にしておいたり、空調のタイマー機能を上手く利用したりして、睡眠の質を高める工夫をしましょう。人は体温が下がる時に眠くなるので、就寝の1時間半ぐらい前に入浴するなど体温をスムーズに下げる工夫もおすすめです。

夏はカラーリング、パーマを休んで髪にも休息を!

佐藤:髪のおしゃれを楽しむために、カラーリングやパーマが習慣なっている人もいると思います。しかし、私が診療している患者さんの中にも、カラーリングやパーマ剤による頭皮トラブルを相談する人が少なくありません。

カラーリングやパーマの薬液の中には、アレルギー性の強いものもあります。薬液や熱の力で髪の構造を変化させるわけですから、当然ながら髪や頭皮にはそれなりの負担がかかります。

カラーリングやパーマの施術中に頭皮がチリチリと痛む、しみるなどの経験をした人もいるでしょうが、これはすでに頭皮に負担がかかって、毛根にダメージが与えられている証拠です。

根元が気になって月に何度もリタッチする、パーマが気に入らずに短期間でかけなおす、ということを繰り返していると、毛根が痛んで抜け毛につながる可能性があります。4週間以内に2回以上は、おすすめできません。

また、もともと肌がデリケート人や頭髪の状態に不安がある人は、頭皮が健康な人よりもダメージが大きくなる可能性が高いので、できるだけ控えたほうがよいでしょう。どうしてもという場合は、ダメージの少ない薬液を選ぶなど、より注意が必要です。

夏は紫外線の影響などで、ただでさえ髪と頭皮がダメージを受ける季節です。夏はカラーリングやパーマをお休みして、傷んだ髪と頭皮をいたわってあげてもよいかもしれません。

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